しかしもし、科学とは何をするものなのか、そして科学がどのように役立つのかについての理解がなければ、一般の人々にとっては、科学の成果を評価することも、それらの日常生活への影響について判断することも、また危険性の性質もしくは科学の不確実性について正しく認識することもできないであろう。
それゆえ、D教授が、ウイルス学微細であるが人々の生命を脅かすような方法で絶えず私たちの日常生活に影響を及ぼしているウイルスを研究する分野について知識のない人々のための単刀直入で信頼すべきガイドの役を自ら進んで引き受けたことは大いに歓迎すべきことである。
この分野での知識と情報がいかに混乱し誤っているかということは、まじめな新聞さえもがウイルスとバクテリアの基本的な違いを相変わらず区別できないでいることによっても示される。
人間のウイルスに関する確かで理解しやすいK教授の解説は、時宜にかなうもの以上であるというだけでなく、十分な知識もないままにたびたび曲げて伝えられる科学の一分野を魅力ある語り口によって明快に説明している。
彼女の本は、好奇心の強い一般の皆様を魅惑するだけでなく、この重要な分野に関する無知をつねに披露しているジャーナリストたちの必読書となるべきであろう。
一九六九年、アメリカ合衆国公衆衛生局長官は、すべての重い感染症が予防可能もしくは治療可能であると決め込んでいたため、「いまや私たちは感染症に関する本を閉じることができる」と議会で明言した。
彼はみごとなまでに間違っていた。
私たちは、現在、これまでに経験したなかで最も大規模で最も広く蔓延している殺人ウイルスによって引き起こされる、汎流行病のひとつに取り囲まれているのである。
エイズウイルス、つまりHIVは現在世界最大の感染症であり、アフリカにおいて最もありふれた死の原因となっている。
しかも一九八0年代初期にHIVが襲って以来、ハンタ、エボラ、ラッサ熱などの致死性のウイルスを含めて、前例のない数の感染症が世界中で発生しているのである。
ウイルスは静かに姿を見せずに私たちの体に侵入し、ほとんど完全に私たちの制御のできない方法で細胞に寄生する。
比較的最近まで、ウイルスは最も精巧な生物である私たち人間と闘い、つねに勝者であった。
天然痘というたったひとつのウイルスは、一九八0年に根絶されるまでに二0世紀において少なくとも三億人を殺している。
また同じ時期に、麻疹は年に二五0万人の子供たちを殺していた。
これらの古い敵の扱い方をせっかく体得したというのに、今また新たな敵が出現し始めている。
彼らが言っていた中国語 東京の話は、少し前の中国語 東京の内容になります。